先日のブログ(こちら)でもご紹介したベルギーの中世都市ゲントの聖バーフ大聖堂にある祭壇画【神秘の子羊】。
その作者、ヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck)は、14世紀末から15世紀初期にかけてフランドル地方で活躍した画家の一人です。
その繊細な筆遣いによって描かれた絵画は今に至ってもその美しさ、みずみずしさを感じるほど。
フランドル伯爵領(現オランダ・ベルギー北部)ブルゴーニュ公フィリップ3世の宮廷画家兼外交官として勤めたその活躍は、
14世紀フランドル地方の毛織物業と貿易による先進的な繁栄とともにありました。
兄フーベルト・ファン・エイクが手がけ、弟ヤンが完成させたこちらの祭壇画【神秘の子羊】から、
ヤン・ファン・エイクの生きた15世紀初頭のキリスト教、時代背景について彼の作品から読み解いてみましょう。

まずは上段から。
-中央に審判をくだす全能の神の左聖母マリアと右洗礼者ヨハネが、キリストの生涯を示唆している。鮮やかな宝石を衣装は(絵が描かれた頃当時の)キリスト教の権力を象徴している。
-その両翼内側には天使たちが音楽とともに、歌うその表情はそれぞれ音程を表しているとも神の五つの属性「神の栄光への賛美」 「神の慈悲への希望」 「神の慈悲に対する信心」 「神の正義への畏怖」 「神の慈悲の前での嘆きと悲しみ、悔い改め」を表すともいわれている。
-上段両端のアダムとイブは人類の始まりであり、他のパネルと違い背景が黒く、私たちの世界とは別の世界にいるようだ。
-アダムとイブの上の半円部分のカインとアベルの絵も、キリストの死を象徴している。アベルは聖書の中では最初の犠牲者で、キリストの殉教と重ねあわされる。
などなど、あまりにも繊細に精密に、聖書の場面、キリスト教の時代背景までもが描かれたこの祭壇画を見ていると、人類の誕生から激動のルネサンス時代をタイムトリップしているような感覚になる。
続きは是非本物をご覧になりながらお楽しみくださいませ。
こちらの祭壇画はベルギーのオースト・フランデレン地方にあるゲントという町の聖バーフ大聖堂で見ることができます。
もともと置かれていた場所に複製の祭壇画が置かれ、本物は大聖堂に入ってすぐ左の礼拝室に置かれています。
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ゲント美術館(Museum of Fine Arts Ghent):
ヒエロニムス・ボスの「十字架を担うキリスト」やアンソール、マグリット等の作品が見られる美術館。 「神秘の子羊」の修復作業はこの美術館で行われ、修復作業を見学することができます。また修復師が作業を行っていない場合は、状況が許す範囲で近づいて訪 問者が見られるよう、配慮される予定です。入場料5ユーロ(一般)。
- See more at: http://www.visitflanders.jp/where-to-go/cities/ghent/arts/the-adoration-of-the-mystic-lamb.jsp#sthash.wR4GSllT.dpufゲント美術館(Museum of Fine Arts Ghent):
ヒエロニムス・ボスの「十字架を担うキリスト」やアンソール、マグリット等の作品が見られる美術館。 「神秘の子羊」の修復作業はこの美術館で行われ、修復作業を見学することができます。また修復師が作業を行っていない場合は、状況が許す範囲で近づいて訪 問者が見られるよう、配慮される予定です。入場料5ユーロ(一般)。
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