ベルギーゲントで見ることのできる祭壇画神秘の子羊については
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正しき裁き人はどこえ消えたのか?
フーベルト・ファン・アイク、ヤン・ファン・アイク兄弟の作品神秘の子羊。
完成以降子とあるごとに略奪され、返還され、解体されて借金の形に売り飛ばされ、雑な洞窟にしまわれたりしたこちらの絵の中で
一枚今でも戻っていないパネルがあります。
1934年4月11日「正しき裁き人」と「洗礼者ヨハネ」が盗まれました。
犯人はその後司教にむけて、身代金を要求。
その要求に応じ、まず「洗礼者ヨハネ」のパネルを取り返したものの、手渡した身代金が要求額の半分以下しかなく、交渉決裂。
しばらくして一人のカトリック党の議員が死ぬ間際に犯行をほのめかす発言と、紙切れを残して逝きました。

国からは捜索願いも出され、数字やデッサンが暗号のように書かれたその紙切れをもとに捜索に当たるも、「正しき裁き人」は見つかりませんでした。
この「正しき裁き人」、10名の騎乗した人物が描かれているが、特に聖人が描かれているわけでもない。
描かれている人物の3番目の男、赤いターバンを巻いている。
赤いターバンといえば、ヤン・ファン・アイクの肖像画であるといわれている絵が存在しています。

その風貌が似ているということから、この赤いターバンをしているのが、ヤン・ファン・アイクで、その後ろの黒いターバンの男が兄のフーベルト・ファン・アイクであるという説があります。
現在祭壇画にはめ込まれているこの「正しき裁き人」は完全な複製品で、写真ではわかりませんが、実物を隣のパネルとよーく見比べると、細部の色彩や鮮明度が違うのが分かります。