「白黒のブリューゲルの世界」展で幻想の世界を旅する


今年は、ブリューゲル没後450年という記念の年なため、フランダースの各地で様々な催しが企画されています。ブリューゲルの残した版画を中心に展示するのが「白黒のブリューゲルの世界」展です。こちらは、ブリュッセルのシャルル・ド・ロレーヌ宮で10月15日~2020年2月16日に開催予定です。


穀物の収穫(The  Harvesters)

ピーテル・ブリューゲルは16世紀にアントワープとブリュッセルで活躍した画家です。特に知られているのは農民の生活や風景、宗教をモチーフにした油彩画ですが、実は多くの素描や版画を残しています。

16世紀の画家ということで真贋に争いが多い作品が多く、真に彼の筆によると鑑定されている油彩画はわずか45点!ですから、80~90点程残した版画も油彩画に負けず劣らずとっても価値あることが分かります。


白黒のブリューゲルの世界展 公式HP 
https://www.kbr.be/en/the-world-of-bruegel-in-black-and-white/より作品抜粋


特に惹きつけられるのが、この時代に既に活躍していたフランドルの画家ヒエロニムス・ボスの珍獣を思わせる奇怪な生き物を描いた作品群です。これは、当時の版画印刷会社の雇い主がブリューゲルにヒエロニムス・ボスの模倣を促していたという説がある一方で、ブリューゲルが彼の世界観に共感し、影響を受けたとも考えられています。

ブリューゲルはこの版画制作を通して人間の7つの罪と7つの徳を描いています。ヒエロニムス・ボス風の風刺が効いた冒険的な作品になっていて、今回の展覧会でも注目です!



ヒエロニムスボスのタロットカードに描かれた奇怪な生き物たち。

この時代、版画や素描は額などに入れて飾られることはなく、壁に立てかけられるなど、もっと身近で親しみやすいものでした。今回は、美しい宮殿の中で、当時の風習に倣い展示が行われるそうで、どんな風にブリューゲルの版画に会えるかも気になります!



展示会が行われるシャルル・ド・ロレーヌ宮。
ブリュッセル王立美術館のすぐそば。

展示会が行われるシャルル・ド・ロレーヌ宮は、改装のためクローズが続いていましたが、今回の展覧会を機に再スタートとなります。新たなスタートにふさわしいブリューゲルの版画展で豊かな想像力の世界を心行くまで堪能下さいね。

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