
この「神秘の子羊」は15世紀フランドル絵画の最高傑作で、世界初の油彩画のひとつとも言われ、ゲントの至宝として重宝されています。別名「ゲントの祭壇画」とも呼ばれ、観音開きになっていて、内側と外側合わせて24枚の絵から構成されているのが特徴的です。
この祭壇画は兄であるヒューベルト・ファン・エイクが作品に着手しましたが、途中作品が完成する前に死去してしまい、弟のヤンが作品を引継ぎ、1432年に完成させたと言われています。作品が完成したのは実に587年前…600年近くも前に描かれた作品なのです!
ファン・エイク兄弟は、従来のテンペラ技法から油彩による絵画技法を発明し、油絵具の改良を重ね、油彩画による絵画の表現技法を大きく革新しました。
そんな世界初の油彩画のひとつ「神秘の子羊」は2012年からフランダース政府の主導により長期間の修復作業が行われていますが、その中で驚くべき発見がありました。16世紀から修復が重ねられ、作品の約40%が上から重ね塗りされ、ファン・エイク兄弟が描いた本来の子羊の絵はこれまで私たちが見てきたものとは全く異なるものだったことがわかりました。
2016年に第一段階としての祭壇画の扉の部分の修復が完了し、2020年にすべての修復作業が完了する予定です。また2020年は「ファン・エイク年」として、ファン・エイク兄弟に焦点を当てる特別年ともされています。
是非2020年の旅行はベルギーで“本来の”姿に修復されたファン・エイク兄弟の作品「神秘の子羊」を見に行きましょう!
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