ベルギー7大秘宝に出会える美術館や大聖堂 ~南へ~


 2月7日のブログでベルギーの七大秘宝に出会える場所をブリュッセルより北に向かって3つご紹介しました。今日はその続編として、ブリュッセルから南方へ旅に出ます!

4.ブリュッセル:ベルギー王立美術館(Musées royaux des beaux-arts de Belgique)秘宝④イカロスの墜落のある風景


ブリュッセルにある王立美術館は、古典美術館、世紀末美術館、マグリット美術館の3つから成り立っています。お好みに合わせ、ベルギーの古典から現代までを巡ることができるヨーロッパでも指折りの美術館です。「イカロスの墜落のある風景」の所蔵は、15~16世紀のフランドル美術を集めた古典美術館。

このギリシャ神話を題材とした絵画は、当初ピーター・ブリューゲル(父)のものとされていましたが、近年になって質の高い模写の可能性も指摘されています。蝋の翼をつけたイカロスが父親の指示を顧みずに空高く飛び、太陽の熱で蝋が溶けて墜落する場面が描かれています。墜落よりも画面を多く占めるのは、全く気にせずに農作業を続ける農民の姿。墜落する様が滑稽にさえ映ります。

これは、他者の苦しみへの無関心を表しているとも言われていますが、「人が死しても鋤は休まぬ」というネーデルランドの諺を表現しているという解釈も。こつこつと働く農民の姿への賛歌と捉えると、たとえ模写であっても味わい深い作品です。

5.リエージュ:聖バルテルミー教会( Église St-Barthélemy )秘宝⑤聖バルテルミーの洗礼盤


12世紀に建てられた聖バルテルミー教会は、白い壁に赤いラインがアクセントとなっていてリエージュでも目をひくロマネスク様式の建物です。新約聖書に綴られた4つの洗礼とヨハネの予言、合計5つの場面が描かれた洗礼盤をブロンズ製の牛10頭が支えています。昔は12頭が支えていたそうで、これは、キリストが12使徒に託した使命を表しているとも考えられています。

洗礼を執り行うための洗礼盤は通常、石造りのものが多いのですが、ブロンズのちょっとくすんだ色合いが秘宝の輝きを放っています。

6.ナミュール:現在はナミュール古典美術館( Musée des Arts Anciens du Namurois⑥ユゴー・ド・ワニーの御物
こちらの秘宝は、以前は、ノートルダム女子修道会の宝物室に保存されていましたが、ナミュール古典美術館に移設されました。この美術館は、18世紀の貴族の大邸宅を美術館としています。秘宝は、金銀細工師のユゴー・ド・ワニーの手掛けた聖遺物や福音書カバー。これらの伝来の御物には、金や宝石が埋め込まれ、贅を極めた作品です。

7.トゥルネー:ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Tournai)秘宝⑦聖母マリアの聖遺物箱


こちらの大聖堂は、12世紀から13世紀に建立。ロマネスクとゴシックが共存した建物です。1999年に竜巻の被害にあい、現在も修復が行われているため、内部の見学は一部制限されながら行われています。竜巻被害のあと2000年にユネスコ世界遺産登録をされていて、この美しい寺院を守ろう!という街の強い気概を感じます。

内部のバラ窓の美しさも圧巻ですが、なんといってもニコラ・ドゥ・ヴェルダンが手掛けた聖母マリアの聖遺物箱に注目です。この聖遺物箱は普段は寺院内に保管されていますが、特別な日には、担ぎ出され街を練り歩くこともあるのですよ。詳しくは⇒トゥルネーで聖母の歴史大行列(2019/7/24付 ブログ)


駆け足で、ベルギーの秘宝が眠っている寺院や教会、美術館をご紹介しました。お宝が眠るその聖なる場所は、訪れる人々が崇高なもの、歴史をおそれ敬う気持ちに満ちていて、心動かされる何かがあります。是非とも現地でその空気に触れ、美しいお宝をご覧になって下さいね!

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