アールヌーヴォー建築家 グスターヴ・ストローヴェン


アールヌーヴォー建築というと第一人者といわれているのはヴィクトル・オルタです。
彼の設計した家は、依頼主の性格、職業、家族構成などに合わせてすべてが唯一のデザインで作られた最も贅沢な建築といえます。

若きグスターヴ・ストローヴェンがオルタの工房で修行に勤めたのは彼が18歳の時でした。

ストローヴェンのデザインはオルタと比べてもとりわけアイアンを使ったデザインが多く、流動的というよりは生物的、幾何学的な曲線を多用したそれは当時、「かんしゃくもちのマカロニ」と称されたそうです。

ストローヴェンが24歳の時に設計した自邸(1902年)はオルタ建築から学んだ空間の使い分け、光の取り入れ方をよく学んでいたのがわかります。しか し、政治家や大学教授など、出資をいとわないオルタの依頼主とは違い、ストローヴェンが依頼を受けていたのは中流階級の客層であったため、建設予算も 限りがあったのです。自宅の建設も、元々設計された内容のものから建設段階で何度も変更され、屋上とバルコニーが省略されて2回にバルコニーを取り付ける など、経費を抑えた方法へと移行されている部分が多くみられます。建材を節約しつつ、高級住宅に憧れて造られた沿岸リゾートマンション風の階段付きの入 口、横幅の狭さを克服するための螺旋階段などに、ストローヴェンは自邸をいかに裕福に見せるかという点に執着していたことがうかがえます。
*写真参照はこちら(仏語)のサイトをご覧ください。

ストローヴェンの設計した中で最も美しく、贅沢につくられている建物がサン・シール邸(1903年)です。
19世紀後半のブリュッセルで活躍した画家のサン・シールの依頼で建てられました。
狭いファザードのため、高さと奥行きで空間を広げ、鉄鋼の飾りが多用されています。
アンビオリ広場に面した高級住宅街のアイアンの蔓が点に登ろうとしているかのような様からアールヌーヴォー・フランボワイヤン,
アールヌーヴォー・バロックと称されるサン・シール邸は、2017年から3部屋にわけたB&Bを始めるための改装中となっています。




ブリュッセルに残るアールヌヌーヴォー建築はそのほとんどが個人又は企業の所有になっており、年に一度の文化遺産の日や、2年に一度開催されるアール・ヌーヴォー、アール・デコビエンナーレなど限られた日に公開されます。




 







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