ブリューゲル街道をたどり、ガースベーク城へ


ブリュッセルから南西に10~30kmほど続く街道沿いには、16世紀のブラバント公国の画家、ピーターブリューゲルが描いた景色を今も見ることができます。この「ブリューゲル街道」はヨーロッパの美しい街道20選にも選ばれるほど美しい田園風景が広がっています。このブリューゲル街道のもっとも大きな見どころの一つがガースベーク城です。




ガースベーク城は1240年にブラバント公国を守るための要塞として建てられ、その後16世紀にエグモント伯の所有となりました。この時代、ネーデルラントはスペイン領でした。しかしスペインの圧政に抗い、ネーデルラント独立のための抵抗運動が始まります。

彼は反逆者として捕らえられ、後にグランプラスで処刑されてしまいます。悲劇の伯爵として有名で後にベートーヴェンの「エグモント序曲」のモデルとなりました。ここは、エドモント伯爵が処刑されるまでの3年間を過ごした城です。



このお城は丘の上に位置していますが、辿り着くまでの小道や手入れされた庭園が素晴らしく美しく、おとぎ話の世界にいるようです。春にはこんなラッパスイセンも咲き乱れ、この城に悲劇の伯爵が住んでいたことをすっかり忘れてしまう程です。時には孔雀が歓迎してくれることも。



こちらは、ガースベーク城を臨む牧草地帯。ブリューゲルはガースベーク城のイタリア様式の中庭から見える田園風景を「穀物の収穫」という作品に描いています。ここから程遠くない田園を描いたのでしょうか。ブリューゲルは農民の生活を丹念に描きました。ブリューゲルの愛した田園風景が今もガースベーク城の周辺に息づいています。



49ヘクタールの敷地内にはこんな小さな教会も建っています。この教会の祭壇画はジェラルド・セガーズという16世紀のフランドルの画家が描きました。今年の6月1日~9月30日までは、城内の美術展として彼の作品が展示されています。また、現代美術の展覧会も現在催されています。テーマは「愚か者の饗宴、ブリューゲル再発見(2019/4/7~7/28)」。ブリューゲルからインスピレーションを受けた現代アーティストの作品が集められています。


城に辿り着くまでの美しい小道

館内は、4~10月の月曜日を除く毎日一般公開され、16世紀前後のタピスリーや家具なども展示されています。城の中も、周辺の田園風景も美しいガースベーク城。ブリュッセルからも気軽に行ける距離なので、ベルギーをご旅行の際には、旅程に組み入れてはいかがでしょうか。

*車で周遊、ブリューゲル街道とガースベーク城 の半日観光についてはこちらまで!













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